カラスに選ばれた王様 前編

   
 

カラスに選ばれた王様@

  カラスに選ばれた王様A
   

   
  コラム
  ピックアップ記事
  シャン昔ばなし
 
 
  おすすめ
   
 
 カラスに選ばれた王様@


 チェイントンはノントウーン池の畔にある美しい町です。
 昔々のその昔、チェイントンの王様が亡くなりました。しかし王様には王子さまもお姫さまもいなかったので、大臣たちはたいへん困ってしまいました。戦争ばかりが続き、王様がいなくなると戦争ができなくなるからです。
「このままでは王様のいない、戦争のできない国になってしまうぞ」
「それはまずいそうだ、王様を募集しよう!」
 大臣たちは町に出て、銅鑼や太鼓を鳴らし、
「頭のよい者はいないか!?戦争の上手な者はいないか?!」
 と、町の人たちに大声で呼びかけました。しかし、なかなかよい人が見つかりません。そうこうするうちに夕方になってしまい、カラスの群れが夕空を飛んで行きました。
 その頃、プラーナニイという町に一人の牛飼いの若者がいました。若者は貧乏でしたが、正直者で優しい心の持ち主でした。動物を愛し、自分の昼食のときにカラスがいれば、自分の昼ごはんを分け与えていたほどでした。
 翌日のお昼に、若者が昼食を食べようとしていたときです。やはりカラスの群れが飛んできたので、自分の昼ごはんを分けてやりました。すると、群れを統率するボスカラスが若者に言いました。
「コッパーラ(若者)よ。あなたは自分のおなかが空いていても私たちに食べ物を分けてくれる。そのお返しをしたい。何か欲しいものはないか。王様にでもなれるぞ」
 すると若者が答えました。
「象や牛、水牛、田んぼ、金銀宝石はいらない。戦争のない国で、お前たちを友達に、豊かな自然に囲まれて暮らしたいだけだ。私の望みは、王様のいない国で平和に暮らすことだ」
---つづく

2006年2月1日発行 1号掲載


Copyright 2006 All Rights Reserved シーサンパンナ文化協会